ASIMO詳細

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雑記(真面目)

 下記にも在るとおり、ASIMOが公演にやってきた。
予想以上の人気で、日本国内に留まらないASIMOへの関心を、
再確認する形になった。

 デモンストレーションでは、単純二足歩行を初めとし、
様々なものを見せていただいた。以下はその詳細と考察である。

・二足歩行中のジェスチャー動作
  ASIMOの前進となる、P3の時代にHONDAはすでに動的歩行の技術を完成し、ASIMOではさらなる進化が見られた。歩行中の左右非対称で行われる上半身動作は、いくら小さなASIMOとはいえ、帰還機構にはそれなりの速度が求められる。さらには上半身における座標系と、下半身のそれと座標系の統一は因子数の数乗に比例するため、演算装置及び計算アルゴリズムには工夫が必要であったと推測する。

・世界初といわれている八の字歩行。
・関節の自由度を必要とするかに歩き。
 両項目とも、自由度1の関節では実現が難しく、柔軟性を備えた2以上の関節が必要である。体重移動に関するところは問題が少なそうだが、八の字歩行に付随する外周へ向けた反力の計算に戸惑うところだ。恐らく、足の裏にいくつかの圧力感知機構を設け、それを何らかの形で系を統一しバランス機構に帰還しているものと推測する。筆者が思った以上にスムーズな動作が可能で、技術者のHONDA技術者のこだわりを感じることが出来た。

・画像認識を利用した自動階段昇降。
 機能そのものは意外と以前から実現していた技術である。ただし、階段昇降における画像認識アルゴリズムは特筆すべき点だ。恐らくASIMO頭部に搭載された2つのカメラからエッジ検出機構を利用して情報を単純化し、二点観測により位置情報を取得。その後、フィルタを通した後に自己の座標系に統一する、といった動作を行っているものと観測する。スムーズな動作から察するに、認識の誤差はかなり少ないのであろう。ただ、事前情報から得たものを利用しているため、昇降時における動的障害物探知等は機能していないものと考える。さらに付け加えるならば、危険性を考えてのことか、昇降時には上半身を使ったジェスチャ等は行われなかった。

・動的帰還が必要な握手。
 作用反作用の計算そのものは、遠隔操縦システム等でも利用されておりそこまで複雑な機構ではない。ただ、ボトルネックとなるはずの外的要因における帰還機構に処理速度系の問題はまったく感じることが出来なかった。

上記以外にも、発話機能など興味深い点はいくつかあったが、それはここでは除外する。

 残念ながら実際に動作を見ることが出来なかった技術が、顔認識機構と追跡機構である。顔認識機構では数人の顔を見分け、それぞれに違った対応が出来るらしいが、ビデオの中では理想的環境で実験を行っていたので、まだ発展途上のようである。顔認識は外的ノイズがかなり重要な要素になるため、対応が難しく、公民を問わず、さまざまな機関で研究が進められている。追跡機構では頭部カメラのみを用い、指定人物を追跡するところが見られた。ただ、これも理想的な環境下におけるもので、実際は如何にして特定物のランドマークとなる目標を設定することが出来るか、というものが主な問題となる。実験ではどのように目標物を設定しているかは触れておらず、恐らくその部分を目下研究中ということだろう。

 筆者は一笑に付すつもりで、会場に足を運んだのだが、その技術力に感服するばかりであった。今回の公演で、HONDAがヒューマノイド型ロボット技術では世界最高峰にある、という事実をまざまざと見せ付けられた。

2 Responses

  1. Taichiro

    実はボランティアをやったついでにいろいろ質問してきたんだけど、どうやらASIMOの動きは超精密カラクリ人形仕様らしいw つまり、階段の昇降も位置確認だけして、あとは決められた通りに精密に動く感じ。登る段数まで含めて、事前に完全にプログラムしなきゃならないとかw ちなみに顔認識をやらなかったのは、ステージ上のライティングが不安定で精度が落ちるからだそうで。興味あったら次会ったときにでもいろいろ話そう。

  2. 管理人

    あのスムーズな動作の秘密はやはりそれでしたかw
    それじゃなきゃあんな動きは出来ませんよね。
    って、上る段数まで・・・。思った以上にラジコンですね。
    まぁ、それを差っぴいてもすごいことはすごいんですが。

    また深夜に香港ヌードルで!

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